びよりインタビュー 第1回

「カフェといろいろ びより」のスタンスとは?

  NPO法人ツナグバヅクリ 代表 鎌田菜穂子、副代表 岩嶋寿子、坂上順子

「カフェといろいろ びより」のスタッフが、当店にかかわる人たちのインタビューを不定期でお届けします。

記念すべき第1回目は、びよりの運営母体であるNPO法人 ツナグバヅクリの代表と副代表に話を聞きました。

 

びよりは、2016年11月にオープン。運営は代表の鎌田、副代表の岩嶋と坂上、およびアルバイトスタッフ4名が担っています。

オープンして10カ月近くたち、おかげさまで多くのお客様にお越しいただき、バラエティに富んだイベントやワークショップも開催されるようになりました。でも、まだびよりの得体が知れないと感じる方も多いかもしれません。カフェ? ワークショップスペース? はたまた公園に併設の休憩所? なんて思われることも。(店内の大きなガラス戸から公園が臨めますが、公園は公共のものであり、一切関係はございません(笑))

オープン以来想定外のことも多々起こり、正直言ってスタッフも日々の業務に精一杯で、びよりのスタンスを忘れがちでした。

そんなこともあり、改めて代表と副代表の3人に、「カフェといろいろ びよりという場所は一体何なのか、スタッフが話を聞きました。

 

 

スタッフ

鎌田さんは、長きにわたってコミュニティづくり支援をしてきたと聞いています。また、びよりに先駆けて千歳烏山で「コミュニティカフェ ななつのこ」も運営しています。そこに至る経緯を簡単に教えてください。

鎌田

行政との仕事を中心にまちづくり支援をやってきました。また、20年以上前、自身の子育てをきっかけに暮らしの情報を提供する場をつくっていましたが、それをもっと発展させたかったんです。情報の受発信だけでなくて、そこでお茶を飲むことができたり、さらにやりたいこともできたりする、そんな双方向なやりとりができる場をつくりたかった。ただ、当時それを単独でやることは難しかったし、まだそういうことが求められる時代でもなかったのです。ですが、時代を経て、マンションのデベロッパーから声をかけていただくようになりました。こうしてマンションという比較的閉じやすい空間を街に向かって開き、マンションと街や街の人とをつなぐ場をつくる機会を得たのです。

街に開かれた場であるびよりは、何かをやりたいという目的があって利用していただくことはもちろん、ふらっとお茶しに来ていただくことも大歓迎です。目的がある人にもない人にも開かれている場でありたいですね。

 

 

スタッフ

岩嶋さんはキャリアコンサルタントとして女性のキャリア支援をしています。びよりに参画したのは、やはりキャリア支援と関連があるのでしょうか。

岩嶋

何かをしたいと思っているけれど、さまざまな事情で二の足を踏んでいる人に、小さく試せる場を提供したいと思っています。小さくてもいいから積み重ねていく。人にすれば小さなトライかもしれないけれどスモールステップを踏み出し重ねられる、そんなことができる場をつくりたいと思い、ここにいます。

起業だ、一本立ちだといきなりリスクを背負うのではなく、まず試しにやってみる。その上で、そのスタイルが向いているか向いていないか、できそうかできなさそうかをご自身で判断していく。そのために、私はそばにいたり、時には背中を押してあげたりしたい。一歩を踏み出した後でも、自分のできる範囲、その人のペースでやり続けていけばいいと思っています。それを「小商い」という人もいるし、「コミュニティビジネス」という人もいるでしょう。呼び方にはこだわらず、その人らしく仕事を街の中で見つけていく、その機会をびよりでつかんでほしいんです。

夢を持っている人に、まずは実際にびよりでトライしてみていただければと思います。

 

スタッフ

坂上さんはフリーランスのデザイナーで、日々フライヤーなどのデザインと広報を担当してもらっています。ほかの二人とは違う視点を持っているように見えますが。

坂上

私はコミュニティとは対極にいる人間です。鎌田さんから声をかけてもらったとき、一緒にやろうと決断した理由は、自分の世界が広がるからということが一つ。それから、私自身が、「コミュニティカフェ」などと謳う店には気後れして、入るのをためらってしまいます。そんなふうに感じる人も、自分の居場所がここにあると思ってもらえるような場をびよりでつくりたいと思いました。それがもう一つの理由です。ここで私のようなフリーランスの人たちの横のつながりができたり、ここに来れば何らかの情報を得たりすることができるような、そんな場にびよりがなればいいなと思っています。

 

 


スタッフ

それぞれの想いは細かいところでは少しずつ違いますが、3人に共通するのは、誰かのためになるコミュニティの場をつくりたいということだと感じました。

鎌田

社会にいる以上、守らなければいけない最低ラインはありますが、私はおせっかいで、基本的にすべての人を応援したいんです。

びよりが一つの色を頑なに持ち続けるのではなく、多様な人たちが一つになってさまざまな色を作り出す、そんな化学反応を起こせる場にしたい。私たちがいろいろな人やものをつなぐことで、何かが新しく生まれてくれたら、こんなにうれしいことはありません。

諸々の制約がありつつも、自分らしい形で夢を叶えたいという人はたくさんいます。そんな人たちにはびよりをどんどん使ってもらいたいし、私たちも全力で応援させてもらいたい。一歩を踏み出したい人がいきなり大海原に泳ぎ出すのではなく、安心して歩き出すことのできる場所としてびよりを使ってもらいたいと思います。

やりたいことができていい一日になった、おいしいごはんが食べられて元気が出た。そんなふうに思える場所がびよりです。

〈取材後記〉

全員揃うとなんとにぎやかなことか。記事がまとまるのか不安でしたが、根本のところで3人の意図が合っているので、意外とすらすらと書くことができて一安心したスタッフです。

カフェとして自分の時間を過ごしに来ていただくことも、ここで夢を叶えることもできる。びよりは使い勝手がいい場所だと改めて思えるようになった取材でした。 (2017.8)